更年期にかかりやすい乳腺症！ 乳腺症の原因や治療法とは
乳腺症は、女性ホルモンのバランスが乱れやすい30代後半以降から更年期を迎えるまでの女性がかかりやすい疾患です。良性疾患とされていますが、女性の罹患率が高い乳ガンと似た症状であることから、乳腺症の症状が見られた場合は適切に対応する必要があります。
そんな乳腺症は、どんな症状を伴うのでしょうか。ここでは具体的な症状や治療法、乳ガンとの違いや注意点など、詳しく紹介していきます。
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乳腺症とは
乳腺症は、両わきに押されるような痛みが生じたり、乳房に張り、しこりが生じたりするほか、乳頭から分泌物が出るなどの症状が現れる疾患です。
みなさんも生理前の時期に、乳房に張りや痛みを感じたことはないでしょうか。一見これらも乳腺症のように思えますが、実はこうした症状は正常な乳腺にも見られるもので、成熟期の女性であれば多くの人が経験しているといわれています。
その症状が特に重い場合を、乳腺症といいます。明確な病気として挙げられる乳ガンとは異なる、良性の疾患であることを知っておきましょう。なお、乳腺症の診断は基本的に、マンモグラフィや超音波検査など、乳ガンと同じ検査に基づいて行われます。
乳腺症の原因
乳腺症が生じる原因や理由については、明確にわかっていません。症状が多様であり、女性の体の生理的変化の一つともいえることから、原因の特定が難しいといわれています。
しかし、更年期の女性や生理前に特に強く現れ、閉経後や生理が終わった後には症状が落ち着くことが多いという特徴があります。そのため、女性ホルモンの変化・乱れなどが乳腺に影響を与えていると考えられています。
乳腺症は更年期にかかりやすい？
女性の更年期とは、閉経前の約5年間、閉経後の約5年間の、計約10年間を指します。
この閉経に向かう40代後半以降に女性ホルモンのバランスが悪くなると、乳腺症の症状が強く出ることがあります。なお、閉経後には症状が落ち着くことがほとんどです。
乳腺症の治療法
乳腺症は、年齢と共に現れる乳腺の生理的な変化によって生じるものです。良性の疾患であるため、基本的には積極的な治療も必要ないとされています。
しかし、経過観察を行う中であまりにも症状が重いため他の病気が疑われる場合は、別の検査が必要になることもあります。また、どうしても痛みが我慢できない場合、痛みを和らげるための対症療法を行うことがあります。
乳腺症でなく乳ガンの可能性も？
乳腺症と似た症状の病気として挙げられるのが、乳腺の組織にできる乳ガンです。乳房にしこりなどの異常を感じた場合、乳ガンの疑いもあるため、すぐに乳腺症と決めつけてしまうのは危険です。良性疾患である乳腺症とは異なり、乳ガンは悪性腫瘍であるため、早期発見・早期治療が必要となります。
乳ガンの主な症状は乳房にしこり、えくぼやただれができたり、乳頭から分泌物が出たりといったものが挙げられます。これは乳腺症と非常に似たもので、簡単には区別がつきません。特に、乳腺症と診断された後に乳ガンを発症した場合などは、乳腺症と思い込んでいるうちに乳ガンが進行してしまう恐れもあり、注意が必要です。
乳ガンは、女性の罹患率が最も高いガンであり、誰もが罹患する可能性のある病気です。乳房に違和感を覚えた場合はすみやかに受診し、念のためマンモグラフィなどの検査を受けるようにしましょう。また、一度乳腺症と診断された後も、良性だからと放置せずに定期的な検査を受けておくことで、乳腺症に隠れた乳ガンの早期発見につながることもあります。
また、乳ガンの罹患率は30代後半から高くなり、60代後半でピークとなります※。気になる症状がない場合でも、検診によって小さなしこりが見つかることもあります。そのため、できるかぎりマンモグラフィなどを使った定期検診を受けることを心がけましょう。
※ 出典：国立がん研究センターがん情報サービス 「がん統計」（全国がん登録） 「全国がん罹患データ（2016年～2020年）」
【記事】乳ガンの検診費用はどれくらい？ 無料で受ける方法は？
更年期に入ると、体の変化に伴い、乳腺症のようなさまざまな症状が現れます。それだけでなく、乳ガンなどの女性特有の病気にかかる可能性が高くなるのも更年期に該当する年代が中心です。誰もが罹患する可能性があるため、女性特有の病気に対する理解を深めておくことは重要です。
また、いざというときのために、医療保険を備えておくという選択肢もあります。アメリカンホーム保険の女性のための医療保険「morph(モルフ)」では、女性特有の病気にかかってしまった場合に受けられる補償を用意しています。ライフステージに合わせ、必要な補償を必要な分だけ受けられる、くみたて型の保険です。万が一のとき、少しでも負担を減らすための備えとして、医療保険を検討してみてはいかがでしょうか。
【医療情報に関する監修】
医師：成田 亜希子
国立大学医学部卒。総合診療医。
国立保健医療科学院や公益財団法人結核予防会結核研究所で研修を積み、保健所勤務経験から感染症、医療行政に詳しい。
また、行政の女性健康相談窓口の担当経験もあり、女性を対象とした健康教育なども多く手掛けている。
現在は美容クリニックに勤務し、美容の悩みも含めて女性のトータルケアを手掛けている。
